水素燃料電池触媒の一酸化炭素対策
Science Newslineという英語で科学ニュースが読めるサイトを勉強のために読むようにしています。内容の要約も備忘録でブログに書こうと思います。
今日は水素燃料電池に使用される、多機能触媒についてのニュースです。
水素を酸化して水とエネルギーを得る反応は環境にやさしい発電方法として、注目されています。
しかし、この触媒は商業用の水素ガスに不純物として含まれている一酸化炭素の影響を受けてしまいます。
今回の報告では、水素と一酸化炭素、両方を酸化可能な触媒の開発に九州大学が成功したとされています。
・生成物として水のみが得られる水素燃料電池は理想的なエネルギーとして注目を浴び、多くの研究がなされている。
・水素の酸化触媒は一酸化炭素に弱く、問題となることも多い。
・今回、同一系内で水素と一酸化炭素の酸化を行うことのできる触媒が発見された。
・反応の切り替えはpHの調整によって実現可能である。
・酸性下では水素の酸化、塩基性下では一酸化炭素の酸化が可能である。
・触媒は水に可溶で、ニッケル、インジウム金属錯体でバタフライ構造を持つ。
・本発見で重要なことは中間生成物の単離に成功したため、酸化メカニズムを確立することができたこと。
・酸性下では触媒はヒドリド錯体を形成すること、塩基性下では一酸化炭素と錯体中の塩素が配位子変換し、酸性下になる際に二酸化炭素を放出することが、明らかになった。
・二酸化炭素をできることで、活性を失わないサイクルを確立可能である。
・一酸化炭素への耐性のある触媒は水素燃料電池を大きく発展させ、持続可能社会実現への解決策の一つとなる。
触媒を用いる際に問題になる活性の低下ですが、その原因物質も同様の触媒で反応
し影響のない形にするとは発想がすごいですね。
燃料電池には効率性、水素の供給などで問題はありますが、環境にやさしいエネルギーであることは間違いないので、今後も勉強していきたいです。